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6月10日は「時の記念日」

  • 3 日前
  • 読了時間: 3分

私たちの生活に欠かせない「時間」。

その大切さを改めて考える日として、日本では毎年6月10日を「時の記念日」としています。

この日は、西暦671年に天智天皇が唐から伝えられた「漏刻(ろうこく)」と呼ばれる水時計を用い、太鼓や鐘を打って人々に「時の奏」を知らせた故事に由来します。『日本書紀』には、天智天皇10年(671年)4月25日にその記録が残されており、これを太陽暦に換算すると6月10日にあたることから「時の記念日」と定められました。日本で初めて“公に時が告げられた日”ともいえる、歴史的な出来事です。


漏刻祭の一幕

もっとも、「時の記念日」という記念日そのものが制定されたのは近代に入ってからです。1920年(大正9年)、生活改善同盟会の提唱により制定されました。当時の日本は近代化の波の中にあり、効率性や合理性が社会のあらゆる分野で求められていました。「時間を守り、無駄をなくすことで生活をよりよくする」というスローガンのもと、国民に時間の意識を広めようとしたのです。今でこそ“時間を守る”ことは当たり前の習慣ですが、それを国全体で意識づけたことが、この記念日の大きな意義といえるでしょう。


この「時の記念日」と深い縁を持つのが、滋賀県大津市の「近江神宮」です。天智天皇を御祭神とするこの神宮は、「時」と「時計」にゆかりのある神社として知られています。境内には日本で唯一の「時計博物館」があり、古代の漏刻から和時計、近代時計、現代の精密時計に至るまで、時を刻む文化の歩みをたどることができます。そのため、時計業界からは“時計の聖地”とも呼ばれ、業界関係者や時計愛好家にとって特別な場所となっています。


漏刻祭の演武

また近江神宮は、百人一首競技かるたの全国大会「全国高等学校かるた選手権大会」の舞台としても広く知られています。映画やアニメ『ちはやふる』で描かれたことから、多くの人に親しまれていますが、ここで大切なのもやはり「一瞬の時をつかむ力」。わずかな間合いを読み取り、素早く札を取る競技は、“時の神様”を祀る神宮にふさわしい光景といえるでしょう。


こうした文化的な背景から、近江神宮はまさに“時間の聖地”とされています。

1300年以上前に時を告げた天智天皇の故事を受け継ぎつつ、今なお人々に「時間の大切さ」を伝えています。毎年6月10日に行われる「漏刻祭」では、時を計る意義や、時間を守ることの尊さを改めて考える場となっています。


現代社会に生きる私たちは、日々時間に追われる生活を送っています。しかし、効率やスピードだけでなく、「誰と過ごすか」「どのように使うか」で時間の価値は大きく変わります。時計の針が刻む一秒一秒は、決して戻らない大切な瞬間。だからこそ、時間を意識し、大切に過ごすことが求められているのではないでしょうか。


私たち時計店もまた、「時の記念日」を迎えるたびにその原点を思い返します。正確に時を刻み続けるためには、時計そのもののお手入れや定期的なメンテナンスが欠かせません。大切な時計を長く快適に使うことは、限りある時間を大切にする姿勢そのものにつながります。


6月10日「時の記念日」。

天智天皇の故事と近江神宮の文化に思いを馳せながら、ご自身の時間の使い方、そして身につけている時計に改めて感謝を向ける日にしてみてはいかがでしょうか。


引用サイト

近江神宮 https://oumijingu.org/


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